肝炎ウイルスと肝炎
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- 2016/05/21(Sat) -
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「B型肝炎ワクチン」は、今年10月から、0歳児を対象とした定期接種が始まります。
全部で3回接種します。その「推奨」接種時期は、生後2カ月、3カ月、7〜8カ月、の3回と定められました。 やはり、新生児期からの接種は、推奨しないようです。その悲しくなるような理由は、前にも書きました。 新生児という不安定な時期に、わざわざワクチンを接種して何か起きたら面倒だと、そういうことなのです。 WHOはしかし、新生児期からの接種開始を推奨しています。多くの国が、新生児から接種しています。 なのに日本は、副反応で叩かれないことを優先するために、より安定した時期に接種を始めるのです。 B型肝炎ウイルスは、それ自体が肝臓に炎症を起こすのではありません。ウイルスは肝細胞内に居るだけです。 リンパ球がウイルスを排除しようとして、感染した肝細胞をまるごと攻撃するから、炎症が起きるのです。 例えるなら、家に居座るよそ者に対して、家まるごと火炎放射器で焼き払うようなもの。これが急性肝炎です。 乳幼児、とくに赤ちゃんは、免疫機構が未熟なため、B型肝炎ウイルスに感染しても急性肝炎は起きません。 思春期を過ぎた頃、免疫が発達してくると、リンパ球がウイルスを排除しようと、肝細胞の攻撃を開始します。 しかし、ウイルスが簡単には撃退できない場合には、攻撃ばかりが何年も続きます。これが慢性肝炎です。 そのような経過のなかで、一部が肝硬変、さらに肝がんへと進行していくのです。 B型肝炎ウイルスは、汗や涙や唾液に存在するので、保育園や部活での集団感染が問題になっています。 いつどこで感染するかわかりません。ならば、生まれてすぐにワクチンを接種しておこう、となります。 諸外国はそのような発想なのですが、日本ではそうならないんですね。不思議な国です。
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