忖度政治
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- 2016/07/09(Sat) -
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「忖度(そんたく)」って言葉は、日常会話ではあまり使いませんが、政治問題ではよく目に(耳に)しますね。
池上彰氏が最近、メディアを(そしてもちろん安倍政権も)批判して、こう言っています。 「報道機関の側が勝手に自主規制したり、忖度したりして、自ら自由を狭めている」 メディアは、官邸に睨まれないよう過剰な配慮をしている、というわけです。 「気配り」の国日本では、「察する」ことが大事です。その意味で「忖度」は本来、日本人の美徳のはず。 でも最近は「忖度政治」のように、「忖度」にはネガティブな、言うなれば「美徳の裏返し」を感じます。 「忖度」って漢字は、パソコンでかな変換したらすぐに出てきますが、自分で書くのは意外と難しいですね。 「忖」=「心+寸」。単純な字面なのに、「忖度」以外で使うことがないので、覚えにくいのでしょうか。 「寸」は「右手の手首に親指をあて、脈をはかるさまから、はかるの意味を示す」と、漢和辞典にはあります。 したがって「忖」は、「脈をはかるように、人の心をはかる」という意味だと。なるほど。 診察中には、必要に応じて患者さんの脈を触れます。時には、問診でもしながら1分間ぐらい触診し続けます。 診断的な意味だけでなく、ずっと手を握って会話をしていると、意思の疎通も図りやすい気がします。 こういうことなんでしょうかね「忖度」って。 なお、漢和辞典に異を唱えるつもりはないですが、脈を診るとき手首には、示指と中指の先を当てるべきです。
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