副反応と副作用
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- 2016/08/06(Sat) -
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「副反応と副作用」というタイトルで、読売テレビの道浦俊彦氏がブログを書いていました。
子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)に関するニュースの中では、「副反応」を使ったそうです。 「副反応」と「副作用」って、いったいどう違うんだ、というのが、そのブログの主旨です。 最終的に道浦氏は、『三省堂国語辞典(通称『三国』)』の解釈を紹介していました。 「副反応」:薬やワクチンを使ったときに起こる、正常でない反応。 「副作用」:薬やワクチンを使ったときに起こる、目的に合わない悪い作用。 う〜ん、惜しい。もう少し踏み込んで欲しかった、三国。私なら、こうです。 「副反応」:薬やワクチンを使ったときに、目的の反応に付随して起こり得る生体反応。 たとえば不活化ワクチンには、しばしば「抗原」のほかに「アジュバント」という成分が混入されています。 アジュバントとは、ワクチンの作用を高めるためにわざと炎症を起こす「刺激物」のようなものです。 だから接種部の皮膚が赤くなったり、腫れたり、熱が出たりするのは、ある意味「もくろみ通り」なのです。 一方で生ワクチンは、ウイルスを弱毒化したものなので、その疾患に罹患した場合と同様の症状が出ます。 それがおたふくかぜワクチンなら耳下腺が腫れ、麻しんワクチンなら発疹が出たりすることもあります。 ウイルス感染と同様の生体反応を引き起こすのが、生ワクチンの目的なので、これも「想定通り」です。 ワクチンで「副反応」という言葉を使うのは、それが必ずしも目的に合わない作用ではないからなのです。
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