睡眠薬の処方と不正
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- 2016/08/08(Mon) -
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睡眠薬を含む、いわゆる「向精神薬」は、処方などの取扱いがとくに厳重です。
依存症の問題や、転売などの不法行為にもつながりかねない薬剤だからです。 処方日数に制限があり、複数の薬剤の処方にも一定のルールがあります。 ところが、複数の医療機関を受診して、あちこちから向精神薬の処方を受けている方が、ときどきおられます。 本人が隠していれば、医療機関としては他院での処方の有無については把握できません。 その結果、医師が想定した以上の用量の睡眠薬を、その方が内服することになり、健康上の問題が生じます。 あるいはまさかとは思いますが、譲渡や転売をしている可能性も、考慮しなければなりません。 マイナンバー制度を医療分野に導入することで、このような「重複処方」が防げるようになるのでしょうか。 それ以前に、現行の制度でも、審査機関や保険者のレセプトチェックにすぐに引っかかりそうなものです。 ところが、レセプトの重箱の隅にはすぐ文句を付けてくる審査機関が、この件についてはスルーしています。 医師会を通じて、県や保険者に確認してもらいましたが、現時点の回答は「医療機関の判断に任せます」と。 早い話が、丸投げです。何かあったら処方医の責任ですよ、というわけです。 よその病院でも睡眠薬の処方を受けていませんか、とお尋ねしても、はい受けています、という人はいません。 医師は通常、患者さんに対しては性善説で臨むので、病状や訴えに応じて処方することはやむを得ません。 医療機関にできることには、限りがあるのです。重複処方への対処は、行政側にお願いしたいものです。
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