お医者さんがいっぱい
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- 2016/09/16(Fri) -
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昔ほどじゃあないけれど、頼りになるのが医師会です。
なにしろ面倒見がいいし、保証も充実それが医師会。 あんた医師かい?、じゃあ医師会。 「あー、先生。すみません、ちょっとその、趣旨には賛同しますけど、文章がちょっと、ふざけてません?」 「面白いでしょ」 「ええ、面白いです。むしろ、すごく面白いです。ただ、ご年配の先生方に叱られるかと」 「ご年配って。じゃあ、若い先生方はどうだろ」 「バカ受けでしょう」 「じゃあ、いいじゃない」 「あー、いや、良くないですよ。長老の方々が当会を牛耳ってるんです。政治力、あるんです」 「第1回日本医師会文学賞」を受賞したのは良いのだが、おかげで機関誌に医師会のキャッチフレーズを書けと頼まれてしまった。それで仕方なく書いたのが、冒頭の文章だ。 「ともかく、いちど理事会に諮ってみたらどう?」 私がそんな意地悪を言ったものだから、事務局のタグチ君は、しぶしぶ理事会に持ち込んだらしい。 そしたら「昔ほどじゃあないけれど、というのが、スカン」という意見が多かったようだ。 三行目のダジャレは、むしろ好意的に受け入れられたという。なんだ、重鎮の方々もユーモアあるじゃん。 医師会長の大英断で、私の原文がそのまま機関誌に掲載された。しかも、大好評。ほらね。 親しみが持てるとか、一般の方にもアピールしやすいとか、ともかく、反対意見がほとんどなかったとか。 そしたらやっぱり、タグチ君が来た。 「先生、すみません。先生が正しかったです。バカ受けです。もう、先生すごいです」 「じゃあさ」と私は切り出した。「『日本医師会雑誌』という機関誌の名称も、この際、変えたらどう?」 「あ、いや、それはどうかと」 「どうして?」 「まあその、歴史といいますか、伝統といいますか。機関誌名を変更する必然性もないですし」 「そんなことないよ。正式名称はそのままでも、ほら、愛称を付けてもいいんじゃないの?」 「愛称ですか」 「国民にウケるよ。それっていまどき大事でしょ?」 「親しみのある愛称は、たしかにいいかもしれませんけどね。先生もう何か、アイデアあるんですか?」 「わかる?」 「え、マジですか。あるんですか。じゃあ、いちおう聞かせてくれますか?」 「お医者さん」 「えー?」 「が」 「が?」 「いっぱい」 「はあ?」 「お医者さんがいっぱい、どう?」 「お医者さんがいっぱい、どう?、って言われましても、まるで絵本のタイトルじゃないですか」 「あ、ほんとだ。たしかに。となると、もう使われてるかもなぁ。あとでググっとこう」 「いや、そういう問題じゃなくて、なんていうか、その」 「幼稚?」 「そう!。じゃなくて、子どもっぽいですよ」 「同じじゃん。でもね、タグチ君。それぐらいに飛躍しないと、愛称の意味ないっしょう」 「すみません、ちょっとしたダジャレなんでしょう?。先生、私もう、余裕ないです」(★) ——— 長々と、ヘンテコリンな文章を、すみません。 今朝見た夢をだいぶデフォルメして、物語にしてみました。続きはありません。★のとこで目覚めたので。
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