インフル医療への勧告
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- 2017/01/05(Thu) -
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インフルエンザは、昨年から流行が始まったかと思いきや、年末には下火になり、今はチョロチョロです。
ノロウイルスや溶連菌感染の方が、よっぽど目に付きます。マイコプラズマもまだ、くすぶっています。 経験上、他の感染症が流行していると、どういうわけかインフルエンザの流行が抑えられるような気もします。 まさかインフルエンザウイルスが、他の病原体に遠慮しているわけでもないでしょうけど。 米国疾病対策センター(CDC)は、インフルエンザ対策について以下のような勧告をしています。 (1)ワクチンの接種は、生後6カ月以上でワクチンに禁忌でない者すべてに推奨する (2)2歳以下や65歳以上や慢性病患者などがインフルエンザ様症状を呈したら、直ちに受診すべき (3)治療の判断は迅速検査結果を待つべきではなく、経験的に判断して治療を遅滞なく行う (4)可能な限り発症48時間以内に治療を開始するが、48時間を過ぎても無意味ではない 実を言えば、このCDCの勧告と私の診療実態とは、少し異なっています。 以前も書いたように、現行のワクチンはその原理上0歳児には効きにくいので、私はあまりお勧めしてません。 両親がきちんとワクチンを接種していないのに、赤ちゃんにだけ接種するなんてのはナンセンスです。 (2)については異論はありません。受診が早すぎることはありません。しかし(3)と(4)は微妙です。 日本人はとかく、インフルエンザかどうかをハッキリさせたがります。幼稚園や学校の関係があるのでしょう。 迅速検査の的中率は100%じゃないし、病状と状況証拠によってインフルエンザと診断してもよいのです。 ただそのような場合には、インフルエンザ以外の疾病の可能性も、少し考慮しておく必要はあると思います。 発症48時間を過ぎたかどうかなど、誰にもわかりません。発熱=発症とは限らないからです。 初日と2日目が38度の発熱で、3日目から40度に上がるようなインフルエンザにも、よく出くわします。 最初の2日間が風邪で、3日目がインフルエンザの発症と考えれば、発熱4日目からの治療も遅くはありません。 CDC勧告の(4)とは意味合いが異なりますが、病状の重い方には拡大解釈で臨むべきだと思うのです。
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