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警報レベルを超えた?
- 2017/02/05(Sun) -
熊本県と熊本市がそれぞれ、「インフルエンザが警報レベルを超えた」と発表しました。2日前のことです。

警報レベルかどうかは、定点医療機関あたりの1週間のインフルエンザ報告数によって決められます。
定点医療機関は県内に80カ所(そのうち熊本市に25カ所)。県と市がそれぞれ、集計結果を公表しています。

今年第4週 (1/23-1/29) の報告数は、県が40.51、市が43.64と、いずれも20台だった前の週に比べて激増。

警報レベルには「開始基準値」と「終息基準値」があり、インフルエンザでは、前者は30、後者は10です。
流行が拡大して、1週間の定点あたり報告数が30以上になると、警報レベルということになります。

しかしいつも思いますが、「警報レベルを超えた」という県や市の表現には、違和感がありますね。
超えたのは基準値であって、警報レベルを超えたわけじゃない。警報レベルよりも上のレベルはありません。

厳密に「警報レベル開始基準値を超えた」と言うか、もっと簡単に「警報レベルに達した」と言うべきです。

これはちょうど、「過半数を超えました」という表現の問題に似ています。厳密に言えば、これも誤りです。
「過半数=半数+1」ではありません。半数をいくつ超えたかにかかわらず、超えたらすべて過半数です。
この件は「おかしいけれどもっとふさわしい表現がないためにやむなく使う」とNHKのサイトにありました。
だからNHKも、「過半数以上」という表現はさすがに使わないとのことですが、ちょっと納得できかねます。

それなら「過半数に達しました」と言えばいいじゃないですか。「半数を超えました」だっていい。
オカシイとわかっている表現を「やむなく」使い続けずに、NHKが率先してふさわしい表現を使うべきです。

「警報レベルを超えた」も同じこと。役所は率先して、正しい言葉・表現を使うべきです。
そういうとこって、役所内で誰も気にならないんですかね。

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