手術は低侵襲へ向かう
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- 2017/02/14(Tue) -
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ドラマ『A LIFE』は、視聴率が少し上向いたそうですが、手術シーンはどんどん減ってきています。
第5話のキーワードは、「医療ミス」と「恩師との確執」。医者モノでは普遍的なテーマです。 登場した外科用語のひとつが、「MICS(Minimally Invasive Cardiac Surgery;低侵襲心臓手術)」でした。 ドラマでは「ミックス」という言葉が連発したので、「何と何のMixなんだろう」と疑問に思われたかも。 「低侵襲」の定義は本当は難しいのですが、「傷口の小さな心臓手術」と考えても大間違いではありません。 皮膚を小さく切って筋肉や骨の切開も少ないので、術後の痛みが軽く、治りが早いのがメリットとされます。 そのかわり、狭い間口からのぞき込んで手術をするので視野が悪く、手術には時間がかかるのがデメリット。 視野の悪い手術は技術的にも難しく、したがって安全性にも多少なりとも影響するのが、懸念するところ。 しかし、心臓手術に限らず、多くの手術が小切開・低侵襲に向かっているので、これは外科の潮流でしょう。 武田鉄矢が演じる心臓外科の権威が、MICSの手術を急ぐあまりに、不完全な手術をしたという筋書き。 そんな権威が、いちいち普通のMICSを執刀し、しかもすぐ修復できそうな異常を放置するとも思えませんが。 キムタクが心エコー検査をしてました。装置はGEの「Vivid iq」ですか。良いモノ使ってますね。欲しい。 僧帽弁の逆流が中等度以上で、大動脈弁の逆流も見えました。左室が拡張し動きがひどく悪い。大丈夫か? さて手術では、僧帽弁の逆流テストを繰り返すばかりで、肝心の僧帽弁形成術は描かれていませんでした。 このドラマの手術シーンは、マニアック路線を突き進んでいるようです。大丈夫か?
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