手術は現場で見ろ
|
- 2017/02/22(Wed) -
|
ドラマ『A LIFE』の視聴率が、第6話でV字回復したとのこと。わが家ではずっと、100%ですけどね。
今回、手術はたった1例。「ドベイキーI型動脈解離」に対する「トータルアーチリプレイスメント」でした。 大動脈弓部(=アーチ)をすべて(=トータル)、人工血管で置換(=リプレース)する術式です。 術式名を聞いた及川光博が「トータルアーチかぁ」とつぶやきますが、まさに現場でありがちなセリフです。 こういうディテールをさらっと流すところが、このドラマのマニアックなところ。 従来のドラマならきっと、「全弓部置換かぁ」と説明調のセリフだったはずです。 右鎖骨下動脈送血で人工心肺を開始(=ポンプオン)したのは良かったのですが、トラブルが発生します。 心臓の挙動が急におかしくなります。心臓が張ってきます。こういうのは、手術中に見る最悪の兆候です。 それをモニターで見るやいなや、「逆行性の解離だ」と言い切る副院長もまた、凄い「脳外科医」です。 ところが心臓外科医たちの手が止まる。その時間が長すぎ。いや、効果的に長く見せてるのかもしれません。 その緊迫した術野が大写しになると、人工心肺回路の脱血管には、薄〜い赤インクのような液体が見えます。 おまけにその液体が流れてない。こういうのが興ざめっていうんですよ。せっかくのディテールが、中途半端。 さらに、いつも言いますけど、手術室内のスタッフが少なすぎます。 心臓外科医3人の他に、麻酔科医と看護師と臨床工学技士。全部で8人ぐらいか。 他の心臓外科医はみな、医局でモニターを見てるなんて、どうかしてますね。どうしてオペ室に行かないの?
|
コメント |
コメントの投稿 |
| メイン |
|