医者の喫煙
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- 2017/02/25(Sat) -
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「日本医師会員喫煙意識調査」(2016年調査)の結果が、先週報告されました。
これによると男性医師の喫煙率は、2000年の27.1%から2016年には10.9%に「激減」しています。 ちなみにJTの調査による一般男性の喫煙率は、2000年が47.4%で、2016年は29.7%です。 医師はもともと喫煙率が低く、とくに最近は一般男性よりもずっと速いペースで、禁煙が進んでいるようです。 しかし私が研修医の頃(80年代半ば)は、ひどかった。一般人でも医者でも、非喫煙者の方が少数でした。 病棟のナースステーションや廊下では、医師たちが人目もはばからず喫煙しながら談笑していました。 そういう時代でした。当時は「医師が率先して禁煙してみせよう」という発想など、なかったのです。 今回の調査で、診療科別の喫煙率は、呼吸器科が最低(3.5%)で、泌尿器科が最悪(17.5%)と判明。 呼吸器科の医師ですら、3.5%がタバコを吸っているというのも、どうかと思います。 日本呼吸器学会の呼吸器専門医は、「非喫煙者」であることが資格要件のひとつのはずなんですけどね。 当院では禁煙外来を行っており、「敷地内禁煙」を徹底しています。それが施設基準の条件だからです。 ところが、毎朝駐車場を掃除していると、必ず数本の吸い殻が見つかります。 生活習慣病の最大の要因のひとつが喫煙です。そのような方は、絶対に禁煙しなければなりません。 しかし患者さんの中にも、どうしても禁煙が出来ない方が、おおぜいいます。 毎月しつこく禁煙を勧めますが、喫煙の問題は最終的には自己責任だけに、そう簡単には説得できません。 まして、医師自身が喫煙者だと、このような場合の説得力はゼロでしょうね。 禁煙できない生活習慣病の方の診療というのは、まことに矛盾に満ちたもので、むなしくさえ感じます。 まるで、強い毒を飲み続けている人に、弱い解毒剤を一生懸命処方しているようなものなのです。
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