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抗生剤不使用の啓蒙
- 2017/03/08(Wed) -
厚生労働省の有識者委員会が、軽い風邪や下痢には抗生剤の投与を控えるよう呼びかけたと、報じられました。
抗生剤の投与を控えるべき理由は、おもに次の2つ。
(1)軽い風邪はウイルス感染なのだから、抗生剤は効かない
(2)安易な抗生剤の使用によって、耐性菌が増える恐れがある

しかし一方で、風邪や下痢の患者を診て、それがウイルス感染かどうかを、確実に診断するのは困難です。
ウイルスや細菌を検出するための迅速検査や血液検査を、いちいち行うわけにもいきません。

病状の経過や臨床所見、周囲の流行状況等から、ウイルス感染かどうかを総合的に判断することになります。

そしてウイルス感染が確定的な場合を除いて、すべての感染症は、細菌感染の可能性を考慮しておくべきです。
とくに病状が重い場合には、先手を打って抗生剤を投与するという、リスクマネージメントもあるでしょう。
要は、風邪のように見える病状が、すべてウイルス感染だとたかをくくるべきではないということです。

結局、風邪に抗生剤を処方するかどうかは、その都度、医師が判断すべきものなのです。
そんなことは百も承知の厚労省が、あえて冒頭のような呼びかけをしたのには、理由がありそうです。

医師相手の呼びかけという体裁をとってますが、実は、一般国民への啓蒙ではないかと思うのです。
厚労省は「手引書」をまとめて、今月中に全国の医療機関に配布するそうです。
医療機関はそれを、安易に抗生剤を要求する患者さんに見せる、という使い方もアリなのでしょう。

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