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応召義務と超過勤務
- 2017/04/09(Sun) -
残業上限60時間」と1月に書いた、政府の「働き方改革実行計画」が、「上限100時間」に緩められました。
おまけに医師に対しては、この規制の適用が5年間猶予されました。まったく、骨抜きというほかありません。

昨年自殺した、新潟の女性研修医は、月200時間以上の残業が4カ月続いていたそうです。
多くの勤務医は毎晩遅くまで仕事して、夜遅くに帰宅しても、呼び出されたらすぐ病院に駆けつける生活です。
患者の容態が気になるなら病院に泊まり、土日も欠かさず出勤する。そのような医師は、いくらでもいます。
だれもが過労状態です。カラダを壊すか、精神を病むか、その瀬戸際のような医者も、多いのです。

「残業100時間以上は絶対禁止」。病院長からそのような命令が出れば、どれほど楽なことか。
しかしそれをやると、病院が回りません。急変患者への対応が間に合わず、患者はひどい目に遭います。
急患手術を深夜に行った外科医が翌日は休む義務が生じたら、予定手術のキャンセルが相次ぐことでしょう。

いくら長時間労働になっても、過労気味でも、患者の求めに応じて診療に当たる義務が、医師にはあります。
応召義務」という名の、いわば超法規的な規定であり、事実上、労働基準法違反を黙認するものです。
このたびの「働き方改革実行計画」も、この応召義務にはあらがえず、医者への適用が猶予されました。

日本病院会の調査では「日本の医療は労働基準法違反を前提に成り立っている」と考える病院が47%でした。
診療報酬が安いので、病院は雇用する医師数をケチり、医師一人当たりの仕事量が増えているのです。

さて、残業規制の適用が猶予される5年間の間に、いったい何が変わり、何が是正されるのでしょう。
勤務医が急に増えるのですか。医者を増やしても病院の経営が成り立つ仕組みに、急に変わるのですか。
2025年へ向けて、医療需要がどんどん増えていくというのに、勤務医を守る改革はなされるのでしょうか。

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