最期の瞬間の映像
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- 2017/06/17(Sat) -
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ロンドンのビル火災は、逃げ遅れて高層階から飛び降りる人が多数いたと報じられました。痛ましい話です。
その瞬間がカメラで撮影されたかどうかは知りませんが、そんな映像をニュースで使うべきではありません。 報道するのはその事実だけで十分。ことさらに悲惨な映像をテレビで放送する必要はありません。 東日本大震災のとき、NHKの中継で津波から逃げる人々や乗用車の映像を見ました。 しかし、その車が津波にのみ込まれるシーンはありませんでした。被害者や家族の心情を気遣ったものです。 人が絶命したと思われる最後の瞬間は映さない。それがNHKの方針だと、後に聞いたような気がします。 さて先日の、東名高速での事故。ドライブレコーダーのあの衝撃的な映像も、よく考えれば問題です。 対向車線から飛んでくる乗用車の中には、それを運転していた医師が乗っているわけですから。 医師の死因は病死ではなく、バスに激突した衝撃で圧迫死(おそらくは即死)したと考えられています。 あの映像に医師の姿こそ映っていませんが、医師がまさにいま死亡する最期の瞬間をとらえたものです。 空中を舞う車内で、いったい何を思っていたのか。その62歳の医師の最後の数秒間を思うと、心が痛みます。 ところがその最期の瞬間を、何度も何度も映すテレビ。その無神経さはどうなんでしょう。 そもそも、あのドラレコ映像は捜査関係者が見とけばよいものであり、誰がマスコミに渡したのか。 いちど公開された映像は、誰かが複製し、ネットに流し、もう永久に消えることはありません。
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