禁煙外来、次も来てね
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- 2017/06/28(Wed) -
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「禁煙外来」における診療報酬「ニコチン依存症管理料」の算定要件が、今年から厳しくなっています。
禁煙外来は、5回の通院によって、問診・診察・呼気一酸化炭素濃度測定と禁煙治療薬の処方を行うものです。 ところが、途中で禁煙に失敗(または早々と成功)して、通院を自己中断する方がけっこう多いのです。 それどころか、初回だけ受診して、2回目からはもう来なくなる方も時々います。こういう方が問題です。 昨年の診療報酬改定によって、通院回数が少ない医療機関では、診療報酬が減額されることになりました。 過去1年間の禁煙外来の通院回数が、一人当たり平均2回未満の医療機関は、管理料が7割しか算定できません。 このたび厚生局から、昨年度の平均継続回数を算出して提出するようにと、調査用紙が届きました。 当院の実績を計算したところ、平均継続回数は2.75回。今年度の診療報酬は減額されずに済みそうです。 もしこの数値が2を下回ったら、全ての禁煙外来受診者に対して診療報酬が減額されるので、大変なことです。 それを防ぐためには、禁煙外来には必ず、少なくとも2回は通院してもらわなければなりません。 1回でやめるのは、禁煙治療を始めたものの禁煙できそうな気がしなくて、早々と治療を諦める方でしょう。 そのような、1回だけで通院をやめるケースが多い医療機関は報酬を減らすぞ、と厚労省は言うのです。 でもどうなんでしょう。1回だけでやめるかどうかは、その人の問題であって医療機関の問題ではありません。 確実に2回以上禁煙外来を受診できそうな人にだけ、禁煙治療薬を処方せよというのもおかしな話です。 むしろ、禁煙が成功する自信は無いけど禁煙治療にチャレンジしたい、という人を応援すべきじゃないですか。 禁煙治療の導入に積極的な医療機関ほど、禁煙外来の平均継続回数は減るんじゃないかとさえ思えるのです。
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