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ナイスじゃないカップ麺
- 2017/06/29(Thu) -
「カップヌードル ナイス」が、バカ売れしていると聞きました。「こってり濃厚だけどヘルシー」だと。
食べることの「罪悪感」を払拭すべく、糖質40%、脂質を50%減らしてヘルシーにしたというカップ麺です。

一見ナイスな話ですが、問題は塩分。濃厚でこってりな味にするために、塩分を増量しているからです。
通常のカップヌードル1個当たりの食塩含有量4.8gに対して、ナイス2種の食塩含有量は5.3gと5.6g。

ダメでしょう。塩分増やしちゃ。どうしてそれで「ヘルシー」なんですか、「ナイス」なんですか。
WHOが推奨する食塩摂取量は、1日当たり5gです。その量を、カップ麺1杯で超えるとは。血圧が心配です。

高血圧症の治療は、生活習慣の改善と、必要なら降圧剤によって行います。塩分制限はとくに重要です。
治療経過を見るために、患者さんには自宅で朝晩の血圧を測ってもらいます。
専用の手帳に、できれば折れ線グラフで記録してもらうと、血圧の推移の全体像がつかめます。

ときどき血圧が、ビュンッ、と上がっている朝がありますが、たいていその前の晩が飲み会だったりします。
飲み会翌朝の血圧上昇は、多くの患者さんで見られる現象です。原因はおそらく、塩分の摂りすぎでしょう。

居酒屋等のメニューを、しかも暴飲暴食して、おまけに締めのラーメンを食べたりすると、効果てきめんです。
その締めのラーメンを、「ヘルシー」だからと「カップヌードル ナイス」に変えても、ダメなのです。

通常品よりもある意味不健全なこのカップ麺を、「ヘルシー」だと強調して販売するのは問題でしょう。
少なくとも高血圧や腎臓病の方にとっては、ナイスじゃないッス。

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