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ブームの功罪
- 2017/08/09(Wed) -
日経の朝刊に連載中の、伊集院静氏の『琥珀の夢 ——小説、鳥井信治郎と末裔』に、はまっています。

主人公の鳥井信治郎は、言わずと知れた、サントリーの創業者です。
3年前に放送されたNHKの連続テレビ小説『マッサン』では、鴨居欣二郎という名で登場していました。
その役を演じたのが堤真一だったので、『琥珀の夢』を読んでると、主人公に堤真一のイメージが重なります。

『マッサン』では、豪快ゆえに繊細さに欠ける人物のように描かれていた鳥井氏が、小説では違います。
その反対に、ドラマではすばらしい人物として描かれていた竹鶴政孝氏が、小説では影の薄いチョイ役です。
誰を主人公にするかによって、こうも描かれ方が違うのかと驚きます。

鳥井氏は、空襲や進駐軍から山崎蒸溜所の原酒の樽を守り抜き、逆に進駐軍に売りつけて大儲けしたそうです。
また、飲み手の希望に添う味のウイスキーを作り、たくみに宣伝して売りさばくのが、サントリー流でした。

一方で竹鶴氏は、日本人ウケする商品を作ることをヨシとせず、本場のスコッチの味を再現しようとします。
ようやく日本人の方が「成熟」して、ニッカの良さがわかるようになったのは、比較的最近のことでしょう。

ところが、連ドラが巻き起こした「マッサンブーム」によって、ニッカの商品は製造が追いつかなくなります。
その結果、原酒不足によって代表的な商品が姿を消してしまうという、「悲劇」が起きてしまいました。
「鶴」は生産終了、「余市」は10年とか20年とかのエイジング商品が終売、今はノンエイジのみの販売です。

『マッサン』前は1万円台だった「余市20年」は、いまAmazonで買うと15万円を越えます。ひどい話です。
こんなことなら、ニッカの良さなど知られないままでも良かったのに。そう思うファンは多いかもしれません。

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