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廃棄はもったいないのか
- 2017/12/06(Wed) -
価格がきわめて高い抗がん剤が、使い切れずに年間738億円分も廃棄されていると、報じらました。
オプジーボ」のように、患者の体重に比例した用量で投与される薬は、薬瓶の使用単位に端数が出るのです。
使いかけの薬瓶内の残薬は、感染予防等の理由から次の患者には使わず、廃棄するのが普通です。

たしかに、高額な薬を捨てていると考えたらもったいないですが、報道を鵜呑みにはできません。
使い切れずに余った薬って、本当に高価なのでしょうか。できるだけ使い回すべきなのでしょうか。

オプジーボなどの超高額薬は、製造原価も高いですが、研究開発や設備にかかる費用も膨大です。
何人ぐらいの患者さんに使うことになりそうか、それを考慮して、薬の価格(薬価)が決められます。
莫大なコストをかけて、患者数の少ない疾患の治療薬を作れば、その単価はどうしても高くなります。

オプジーボのような薬は、その薬液そのものがひどく高額なのではありません(高額ではあるけど)。
2,000億円とも3,000億円ともいわれる研究開発費用を回収するために、単価を高くしてあるのです。

薬の売り上げが伸びれば、やがて薬価は引き下げられます。現にオプジーボは、今年2月に半額になりました
つまり、薬の消費量が増えれば増えるほど、その恩恵を被る患者一人当たりの負担は減ることになるわけです。
残薬を廃棄せずに使い回せば、患者数当たりの薬の消費量が減り、値下げの道が遠ざかるかもしれません。

一方で、医療機関にとっては、薬の使い回しは薬代を節約できるので、きわめてオトクです。
しかし、開封後の薬瓶を保管する衛生上のリスクを考慮して、あえて、残薬は破棄しているのです。
儲けよりも安全を優先した医療機関の姿勢を、今回のような報道は理解しておらず、踏みにじるものです。
残薬利用による健康被害と医療経済上の損失まで考慮して、廃棄がもったいないかどうかを議論してほしい。

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