パイロットの訓練
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- 2018/02/04(Sun) -
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昨夜テレビで、『ハッピーフライト』という映画を放送していました。
私には、年末に緊急着陸騒ぎのANA便に搭乗した生々しい経験があるので、この映画は興味深く観ました。 旅客機の運航に携わるいろんな部署の人たちが描かれていた中で、私の興味は「機長昇格訓練」です。 副操縦士の機長昇格のための審査を兼ねていた、自動車で言うなら路上検定が、そのドタバタ劇の舞台でした。 こういうのを見るとすぐ連想するのは、外科医の実地修練です。 ただし外科医の場合は、資格のための検定ではなく、おもに、純粋に経験を積む(積ませる)ためのものです。 映画では、緊急事態が起きますが、機長の手の負傷ということもあって、訓練生が最後まで操縦していました。 手術でも、緊急事態(想定外の病変・多量出血・臓器損傷等)があっても、修練医がギリギリまで執刀します。 そのような修羅場をくぐらなければ、いつまでたっても独り立ちできないからです。 人の命がかかっているのに修練とは何事かと、そう思う方もいるでしょうけど、どうしても必要な事なのです。 外科医は、手術見学→助手→指導下での執刀、という手順を踏んだ後、単独で執刀できるようになります。 このうち、指導医による指導の下での執刀という段階は、もっとも緊張する、その術式のデビュー戦です。 と同時に、指導医にとっても、どこまで修練医に任せきれるかという、これまたある意味、修練の場です。 副操縦士を褒めたり怒鳴ったりしながら、最後までやりきらせる機長にも、相当な力量が必要なのです。 ただしその修練現場は、乗客にはとても見せられません。それは外科手術の修練現場でも同じです。
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