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ツッコみながら懐かしむ
- 2018/06/03(Sun) -
術野を映さずに手術を描写するパターンが定着してきたドラマ『ブラックペアン』第7話。
今日の私のツボは2カ所。いずれも今回のメインの手術ではないことを、最初にお断りしておきます。

1例目は、人工心肺回路の接続を間違えた医療ミスの回想シーン。
イラついた執刀医が、モタつく看護師から奪い取って大動脈への送血管に接続したのは、脱血用のチューブ。
そのまま体外循環を開始したものだから、致命的な循環動態になってしまいましたが、そんなことあり得ない。

まず、送血管と脱血管は、コネクタの太さがまったく違います。接続を間違えること自体が不可能です。
人工心肺回路は必要最小限の長さにしてあるので、脱血用チューブが送血管のところまで届くのも不可解。
送血管に接続してすぐに体外循環を開始するなど、まったくナンセンス。脱血管はどうしたの、って話です。
トラブルをリアルに描きたいのであれば、とことん正確に描写してほしいものです。

おまけに、執刀医が自分のミスを他人のせいにしたシーンを見て、女子医大の事件を思い出してしまいました。

2例目は、術中に発症した心筋梗塞に対して、緊急冠動脈バイパス手術を行ったシーン。
主人公が、バイパスに使う「内胸動脈」を剥離しつつ、「お前サフェナ取れ」と助手に命じます。
「サフェナ」というのは、やはりバイパスに用いる下腿の「大伏在静脈(saphenous vein)」のことです。

私にも、「サフェナ取れ」と指導医に命じられた経験が何度もあるので、その言葉は妙に懐かしく響きました。
サフェナ取りは基本的な手術手技ですが、その出来具合は重要で、若手心臓外科医の腕の見せ所なんですよね。
このドラマ、毎度ツッコミどころ満載なのに見てしまうのは、そのような懐かしさゆえかもしれません。

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