セミの抜け殻
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- 2018/07/08(Sun) -
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生気の無い人間のことを、「アイツはもう、抜け殻になっちまったな」とか言いますよね、映画なんかで。
でも抜け殻って、生きてるとか死んでるかというレベルのものじゃありませんからね。単なる殻ですから。 今日はそんな、抜け殻の話。 わが家の庭に、ひときわ茂った、茂りすぎた、「シマトネリコ」の木があります。 その幹や広がった枝々や葉の根元に、まるで七夕の短冊のように、無数のセミの抜け殻がぶら下がっています。 ざっと数えて25個。いや、もっとありそう。地面にも、落下した抜け殻がゴロゴロ転がっています。 腹部の縞模様の色の具合などからは、すべてクマゼミの抜け殻と思われます。 このシマトネリコにこれだけの抜け殻がくっ付いているのは、木を植えて8年間で今回が初めての出来事です。 セミの幼虫が地中で数年過ごすことを考えると、何年か前に多数の卵がこの木に産み付けられたと思われます。 もしかすると8年前に、シマトネリコが植えられたときに、土と一緒にセミの幼虫が運ばれて来たのか。 いや、クマゼミの幼虫はそんなに長くは地中にいないはず。 4年半前に先代の愛犬・アンナが亡くなり、今の愛犬・花が来るまで2年余りは庭の番犬が居なくなりました。 この間、シマトネリコは昆虫たちの楽園となり、そのときにクマゼミがたくさん産卵したのかもしれません。 今朝シマトネリコをよく見ると、羽化したばかりの白っぽいセミが一匹、抜け殻の真上にたたずんでいました。 普通は、天敵の少ない夜間に羽化するはずですが、この個体は何らかの理由で出遅れたのでしょう。 頭の形や色からは、やはりクマゼミのようです。薄緑白色の翅の向こうに、ベージュの腹部が透けて見えます。 まるで肌襦袢をまとったようなその姿に、「セミヌード」という言葉を連想しました。
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