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予防接種の誤解
- 2018/10/24(Wed) -
HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)問題を筆頭に、予防接種にはさまざまな誤解が蔓延しています。
医療者の説明不足と、一部の人たちによる非科学的扇動と、国のことなかれ主義が災いしたものです。

いまでは当たり前になった複数のワクチンの同時接種も、数年前まではその都度保護者の説得が必要でした。
市内の某小児科は「同時接種など相成らん」的な姿勢だったため、当院での説明との齟齬も生じていました。

「同時接種の方がお子さんのリスクが少ないです」というのが、いまの私の決まり文句です。その理由は明確。
(1)接種計画が進めやすいので、早く免疫が獲得でき、その分、感染症予防のためには有益である
(2)紛れ込み(=濡れ衣)による副反応(の疑い)のリスクは、接種機会(日数)が多いほど大きくなる

説明に使うのは(1)です。(2)には直接言及しませんが、日本人にとって、実は重大なポイントです。
ワクチン接種の直後に乳幼児突然死症候群を発症する確率は、同時接種でも単独接種でも同じはず。
ならば、突然死のリスクは、ワクチンを接種するために医療機関を受診する回数に比例する、とも言えます。

「感染症は、罹って免疫をつけるもの」という前近代的な発想も、いまだにくすぶっています。
でもそれを、日本脳炎やポリオで言えますか?
水痘とかおたふくかぜのような、生命の危険の少なそうな感染症だから、そのように甘く考えるのです。
それらは少ない確率で、重大な合併症(ムンプス難聴など)を引き起こします。

今日はしかし、感染症の怖さをよく理解しているのに、ワクチンの接種には消極的な方に出会いました。
感染症が怖いからこそ、罹患して強い免疫を付けたい、というのがその親御さんの言い分です。
気持ちはわかりますが、その理屈は矛盾しています。最初の感染こそが全てです。それがいちばん怖いのです。

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