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武田薬品のグローバル化
- 2018/12/05(Wed) -
武田薬品によるアイルランドの製薬会社「シャイアー」の買収が、今日の臨時株主総会で承認されました。
約6兆8千億円という驚異的な買収額は、日本企業としては過去最高。

日本の製薬会社では最大手の武田薬品は、昨年の売上高でみると世界第19位。シャイアーは20位。
この2社が合併すれば、単純計算で世界第8位あたりに躍り出ることになるようですが、それでもまだ8位。
製薬の分野では、日本はようやくグローバル企業の仲間入りを果たしつつある、という程度なんですね。

武田と言えば、私が研修医の頃には、塩野義や三共と並んで最も勢いのある製薬会社のひとつでした。
ここで若手医師にとっての「勢い」というのは、当時「プロパー」と呼ばれた人たちの営業力に一致します。
彼らは医局に入り浸り、主力商品の売り込みを兼ねて、飲食物などの差し入れをします。しかも多量に。
研修医相手でも、接待(高級鮨店などで好きなだけ食わせる)は頻繁でした。いわんや上級医師をや、です。

しかし90年代には、バブルがはじけ、外資系の薬が入り込み始め、業界全体の雰囲気が変わってきました。
接待は年々沈静化し、近年では医師の側も、そのような期待すらしなくなってきました。当たり前ですかね。

かつては抗生剤でお世話になった武田薬品ですが、最近はずっと、生活習慣病治療薬のイメージでした。
ところが2,3年前から、高血圧、糖尿病、高脂血症などの治療薬から武田が撤退するという話が出始めました。

たしかに血圧や血糖を下げる薬は十分揃っています。画期的新薬を開発するのは、容易ではないでしょう。
そのような新薬開発の難しさもあるし、莫大な費用を投じて開発しても、特許が切れたら利益が出ません。

それに考えてみれば、生活習慣病の治療は、生活習慣の改善が本筋。新薬開発の意義は微妙かもしれません。

となると、これからは「バイオ医薬品」でしょうか。武田がやや不得意な分野のようです。
そのような新薬を一から開発する時間を節約するために、シャイアーの買収を行ったと報じられています。
これは、IT業界でもよく行われること。AppleもGoogleも、みなそのようにして拡大してきました。

グローバル企業として生き残るためには、どの業界でも結局、そのような選択肢しかないのでしょうかね。

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