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不可抗力のドーピング
- 2019/03/10(Sun) -
ドーピング検査で禁止薬物が陽性だった男子レスリングの阪部創選手の資格停止処分は、取り消されました。
阪部選手に過失がないことが立証されたからですが、これまでに聞いたこともない顛末でした。

禁止薬物が含まれていないはずの胃腸薬に、メーカーの不手際で、禁止薬物が混入したというからです。
これはちょうど先日書いた、高血圧治療薬に発がん物質が混入していた事案と同様の経緯によります。

ドーピングが禁じられている理由は、おもに次の2つでしょう。
・スポーツのフェアプレー精神に反する
・競技者の健康を損ねる

しかしそのドーピングの「悪質度」には、いくつかの段階があり、明確に区別されるべきです。

(1)故意(ドーピングするつもりで、意図的に禁止薬物を摂取した)
(2)過失(薬剤や飲食物等の成分確認を怠り、あるいは勘違いして、うっかり摂取した)
(3)不可抗力(問題ないとされている薬に、メーカーの不手際等で禁止薬物が混入していた)
(4)冤罪(選手をドーピング違反に陥れるために、第三者が禁止薬物を飲食物に混入した)

このうち(1)はもちろん(2)も、明確にドーピング違反として、厳しく罰せられるのは当然です。
しかし、今回の阪部選手の場合は(3)でしょう。どれだけ注意しても避けようがなかったからです。

ただし、資格停止処分は取り消されたものの、選手権での準優勝という成績までは回復されませんでした。
たとえ本人に落ち度はなかったとしても、競技自体は「ドーピング下」で行われたという解釈でしょうか。

本件の責任は製薬会社にあると思いますが、失った競技の機会と成績を「賠償」することは不可能です。
オリンピックレベルの世界的な大会において、このようなアクシデントが起きたら、取り返しが付きません。

問題の胃薬は、田辺製薬が先発品を作っている胃薬のジェネリック(沢井製薬製)でした。
その原薬が問題なのでしょうけど、結果的には、ジェネリックへの信頼感をも失わせる事件となりました。
選手がどうしても薬を飲むときは、先発品を選ぶのが無難ということですかね。

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