ゾフルーザ耐性大問題
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- 2019/03/28(Thu) -
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新しいインフルエンザ治療薬「ゾフルーザ」の耐性変異ウイルスの出現が、思いのほか大問題になっています。
なにしろ、ゾフルーザに耐性を持つウイルスが、この薬を服用していない患者から検出されたからです。 つまりこれは、耐性変異ウイルスがヒトからヒトへ感染したことを意味します。 耐性が出やすいことは発売前からわかってはいたのですが、半年前ごろの私は次のように理解していました。 (1)成人の場合、耐性ウイルス出現率は9%程度であり、それほど多くはない (2)耐性ウイルスが出現したとしても、熱がやや遷延する程度だろう (3)その耐性ウイルスは、他人に感染するとは言われていない 今シーズン中は、おもに成人患者に対して、しかもゾフルーザを希望する方にのみ、私は処方してきました。 感覚的には、わりとよく効いたと思いますが、たしかに一部の方は、やや治りが悪い印象でした。 ただしそれが、耐性ウイルスの出現によるものかどうかは不明です。 昨年までよく使われていた(私も使っている)イナビルだって、似たような経過をとることがありますから。 しかし、ここまで耐性変異ウイルスが出やすく、しかも感染力があるとなれば、話は別です。 当院では、いまでも毎日2,3人ほど、新たなインフルエンザ(全てA型)患者を診断しています。 今回の耐性ウイルス問題を受けて、今後しばらく私はゾフルーザを処方することはないでしょう。 とか言いながら、万一自分がインフルエンザに罹ったら、さて、どの薬で治療しましょうかね。 「ゾフルーザとタミフルの同時投与」なんて、実はちょっと魅力的なんですけどね(内服は自己責任で)。
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