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新型コロナ抗原検査を導入するからには、十分な準備と覚悟を
- 2020/05/13(Wed) -
新型コロナの「抗原検査キット」が、原則として有症状者に対して、医師の判断で使えるようになりました。
当院のような医療機関でも、インフルエンザの検査みたいに院内でサクッと迅速診断ができちゃうわけです。

と書くと、なんだかコロナも先が見えてきたように錯覚しますが、まったく違います。

(1)感度は低い
安易に検査して不用意に「陰性判定」を出すと、間違ったお墨付きを与えることになる可能性があります。
偽陰性の感染者を誤解させて野に放つことが、この検査法導入後の大きな問題になるかもしれません。
この手の検査は、インフルでも同様ですが、陰性判定には使えないのです。

(2)安易な受診が増える
その場ですぐ判定してもらえるとなれば、新型コロナを疑って医療機関を受診する患者は増えるでしょう。
検査目的の受診をどのようにコントロールするか、工夫が必要です。
PCR検査の要件が厳しすぎた経緯を踏まえると、抗原検査の検査条件を厳しくしすぎるわけにもいきませんが。

(3)厳しい感染防御が必要
これまではスルーしてきた可能性も否定できない新型コロナ感染者を、今後は捕捉しやすくなります。
ただし、クリニックの外来でいきなり「コロナ陽性」の判定が出てしまうことを想定した準備が必要です。
感染防御態勢を一層強めておかなければ、陽性判定後に大騒ぎになってしまいます。

(4)どっちみち治療薬待ち
診断を付けやすくなれば、感染者の管理もやりやすくなり、感染拡大を止めることにつながるでしょう。
しかし、有効な治療薬が開発されない限り、感染者の生命予後は変わりません。アビガンは効くのでしょうか。
インフルに対するタミフルのような薬が無いまま、診断だけバンバン付けていくというのも、いかがなものか。

ともかく、さまざまな準備と覚悟がなければ、抗原検査キットなど安易に導入できないということです。
とは言え、新型コロナ診療を大きく転換させ得る、画期的な検査手法だとも思います。やはり、導入でしょう。

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