新型コロナウイルス感染症に関して、やれる研究は全部やろう
|
- 2020/08/03(Mon) -
|
新型コロナウイルスに感染してしまうことは、誰にとっても悲劇です。好きこのんで感染する人などいません。
どんないきさつがあったにせよ、わずかでも反省点があったとしても、当人がいちばん苦しんでいます。 隔離は必要ですが、感染者を責めたり濃厚接触者を差別するような行為は言語道断。明日は我が身ですから。 よほど有効なワクチンでもできない限り、全国民の半数はやがて感染するでしょう。 「イノベーター理論」になぞらえて言うなら、いま感染している人はある種「イノベーター」かもしれません。 感染経路は未知数、検査態勢は不十分、特効薬もまだ無い中で、コロナの海に飛び込んだわけですから。 その人の行動や診療経過やすべての経験が、ほかの大多数の人々の感染予防や早期治療にきっと、役立つはず。 純粋な医学的観点から言うなら、すべての感染者の血液や唾液等を採取して保管することを、私は提案したい。 検体中に存在する、あらゆる物質や遺伝情報を、スパコン「富岳」あたりで徹底的に解析してほしい。 感染後に起きる体内変化や重症化しやすい因子などを究明すれば、治療や予防のためにきっと役立つはず。 たとえ今は何も突き止められなくても、数年後に何かを調べたいとき、検体保存の意義は絶大です。 ずいぶん前、私の患者に投与した血液製剤が、後になって薬害エイズの原因だと判明したことがありました。 さいわいにも、たまたま保管してあった患者血液検体を調べることで、HIV陰性であることが確定しました。 いま分かっていないことが、後になって解明されたり、逆に問題化することなど、いくらでもあり得ます。 人類が初めて遭遇した「コロナ危機」に、いまこそ英知を結集し、役に立ちそうなことは全部やりましょう。
|
コメント |
コメントの投稿 |
| メイン |
|