航空機内は手術室並みにクリーンだというけれど
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- 2020/08/16(Sun) -
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旅客機内の座席が前後の乗客間で、新型コロナウイルスが感染したと疑われる事例が報じられました。
航空機は、列車やバスよりも優れた空調システムを有しているので、ウイルス感染はしにくいとされています。 高性能HEPAフィルターを通した空気を、一方向に循環させており、手術室並みにクリーンだともいわれます。 ANAやJALのサイトによると、客室内の空気は乗客の頭上から足元へ向かって流れているようです。 しかしそのような環境でも、真後ろの席の乗客が咳込むと、前の座席に飛沫が飛ぶ可能性は否定できません。 もちろん、前の席の乗客が急に立ち上がって後ろに向いて咳をした場合でも同様ですが、それは希な事例です。 いずれにせよ、乗客の頭上に放出された飛沫は、空気の流れに従って、乗客の頭から降り注ぐことになります。 つまりどんなに完璧な空調であっても、風上の空気が汚染されたら対処のしようが無いということです。 手術室では、一方の壁にHEPAフィルターを介した空気が出る送風口があり、反対側の壁に排出口があります。 従って、つねに一定の方向にクリーンな空気が流れており、空気がよどむことはありません。 唯一重要なことは、術野(手術操作が行われている場所)の風上に、不潔なモノを置かないこと。 ここで「不潔」というのは、滅菌されていない物品や、滅菌ガウンを着ていない人のことです。 一定方向に空気が流れる空気清浄システムで重要なのは、風上を常にクリーンに保つ必要があることです。 なので機内では、自分の頭上の空気を汚されたらアウトなのです。航空機の空調を過信してはなりません。 後ろの席の乗客がよく咳込むような場合は、自分の席の移動をCAさんにお願いするなどの自衛策が必要です。
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