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「第2波」の定義はどうでもいいけど、「重症者」の定義は明確に
- 2020/08/19(Wed) -
「いままさに第2波の真っただ中にいるわけです」という、日本感染症学会の舘田理事長の率直な発言に対し、
「どういうことをもって『波』と言うか、必ずしも定義があるわけではない」と、加藤厚労相はうそぶき、
「大きな波になっていることは間違いない」けれど「第2波の定義があるわけではない」と、西村経済再生相。

絶対に「第2波」とは認めない大臣らは、きわめて一貫した姿勢ですが、でも定義なんてどうでもいいのです。
国民の肌感覚で「また来たぞ」が「第2波」でいいじゃないですか。それよりも、今後どうするかです。

どうやら最近は、「感染者数よりも重症者数に注意すべきだ」という方向にシフトしつつあります。
冷静な考え方にも見えますが、感染者数の増加を矮小化しようという意図が潜んでないか、気になります。

大阪府はついに、重症者数だけでなく感染者数でも、東京都を超えてしまいました。
そんな中で、大阪と東京では、「重症者」の基準・定義が異なることが露見しました。
大阪府の基準は、人工呼吸器の装着・ECMO装着・気管内挿管・ICU入室の4つ。東京では前者2つのみ。
気管内挿管すればたいてい人工呼吸器をつなぐことになるので、大きな差は「ICU入室」の部分です。

東京都は、「感染対策や病床の関係で重症でなくてもICUに入っている人」の存在を考慮したとのこと。
これは確かにリーズナブル。ICUに入っているからといって、必ず重症だとは限らないのは、その通りです。

ただ、呼吸器を着けるかどうか悩ましい程度の重症患者を、早めにICUに入れておくことは、よくあります。
あるいは、呼吸器から離脱(気管内チューブを抜去)したばかりの患者もまだ、もうしばらくICUにいるはず。
病床の関係でたまたまICUに入れた患者と、実際に重症な患者は、明確に区別してカウントすべきでしょう。

それに東京都が、重症者が少なく見える方向にシレっと基準を変えたことにも、インチキ臭さを感じます。
東京都は国とは一線を画す態度だと思って来ましたが、体質はほぼ同じようです。

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