インフルエンザワクチンは、結局、何回接種すべきなのか
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- 2020/10/15(Thu) -
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インフルエンザワクチンを、毎日せっせと接種しています。
今年はコロナのことがあるので、いつもより早めに接種する方や、初めて接種する方も多いようです。 厚労省による啓蒙が奏功して、65歳以上の方の「定期接種」の出足も好調です。 「生まれて初めてインフルエンザの予防接種をする」という人が目立つのが、今シーズンの特徴です。 今日、ご高齢の「初インフル」の方が、接種は何回するのかと尋ねました。私は言葉に詰まりました。 規定では1回接種ですが、その方の場合には2回接種した方が医学的には望ましいと思ったからです。 インフルエンザワクチンの接種回数について、日本の規定はこの数年で変わりつつあります。 かつては、12歳以下は2回、13〜64歳は1回または2回、65歳以上は1回、というのがルールでした ところが3年前のワクチン不足の折、厚労省は「13歳以上は1回の接種で十分効果がある」と言い始めました。 ワクチンが足りないから1回で十分というのは、理屈としてもオカシな話ですが、厚労省がよく使う手口です。 以前は、受験生や妊婦さんや喘息の方には2回接種を私はお勧めしていましたが、それも難しくなりました。 米国ではもっと少なくて、「9歳以上は1回。8歳以下は2回。過去に2回以上の接種歴があれば1回」です。 それと比べたら日本ではまだ接種回数が多いようにも思えますが、大事なのは過去の接種歴なのでしょう。 医学的に考えたら、必要な接種回数は年齢の絶対値だけで決まるものではないということです。 毎年2回接種してきた小学生なら1回の接種で十分だし、逆に初インフルの高齢者には2回接種すべきでしょう。 杓子定規に決めつけず、医師の裁量で臨機応変に接種回数を選択できるようにしていただきたいものです。
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