医療機関は無料検査所ではありません
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- 2022/05/12(Thu) -
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くまもと県北病院が、保健所から委託された濃厚接触者のPCR検査について、医療費を誤って請求していた件。
検査料は徴収しなかったものの、初診料などの医療費を請求していたことが問題となっています。 つまりこの病院は本来、委託された「検査」のみを行い、それに伴う「診療」への請求はできなかったのです。 最近は減りましたが2月頃までは、濃厚接触者は原則として全員PCR検査を行うよう保健所は勧めていました。 当時は毎日のように、保健所からPCR検査をするよう言われた方が何人も、当院の発熱外来に来ていました。 ところがその中には少数ですが、会計の段になって「えっ、料金がかかるんですか?」と驚く方がいました。 おそらく保健所は、「PCR検査は無料で受けられますよ」と説明していたのでしょう。 たしかに当院で行うPCR検査は「行政検査」扱いなので無料ですが、初診料などは別途かかります。 しかし保健所の説明では、「完全無料」だと誤解してしまう可能性があったのです。 その反対に、一般の医療機関のように「診療」してしまったのが、今回のくまもと県北病院の誤りなのでした。 となるとポイントは、本件でのPCR検査の「委託料」がいくらだったのかという点ですね。 保険診療でPCR検査をした場合の診療報酬の総額と比べて、格段に低額だったのかもしれません。 病院には委託検査の制度解釈を誤った非があるとしても、低料金で買い叩かれていた背景はないのでしょうか。 それなりのリスクを負って検査を行うのですから、医療行為全体への報酬はキッチリ認められるべきです。
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