「みなし陽性」は、判断基準がとても大事
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- 2022/05/31(Tue) -
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熊本市の今日の新型コロナ新規感染者は217人。このうち臨床診断により届出された「疑似症患者数」は3人。
これは検査をせずに感染者と診断する、いわゆる「みなし陽性」例です。だいたい毎日1〜2人程度ですね。 じつは私はまだ、みなし陽性判定は一度もしたことがありません。 もちろん、濃厚接触者でかつ、高熱などの症状がある方には、しばしば遭遇します。 でも、確認のため、やはりPCR検査をします。その結果が出るまでに、半日から長くて2日かかります。 もしも検査をせずにみなし陽性とすれば、その分早く、感染者(ただし疑似症患者)と認定できるはずです。 しかし考えてみると、その少しばかり早い「みなし判定」は、患者さんにとってメリットがあるのでしょうか。 濃厚接触者であればどっちみち、自宅待機が必要です。トータルの待機期間の短縮にはつながりません。 私がよく経験するのは、PCR検査の結果が出た頃にはもう、下熱してとても元気な「陽性者」がいることです。 このような方を「みなし陽性」で済ませていたら、「ホントに陽性だったんですかね」という疑念が生じます。 さらにもう一つ。みなし陽性の過剰診断ともいえる「みなし偽陽性」の問題も、考慮しなければなりません。 2月にも同じことを考えて自験例を集計したら、約半数が「みなし偽陽性」となり得るという結論でした。 その時は、「何らかの症状がある同居家族内濃厚接触者」をみなし陽性とする、やや甘い基準でした。 おそらく、発熱条件を盛り込むなど基準を厳しくすれば、偽陽性は減ると思われます。 いつか時間のあるときに集計して、「正しいみなし陽性を出すための条件」を探ってみましょう。
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