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「話の腰をもむ」
- 2023/05/17(Wed) -
毎日数十人もの「健康に何らかの不安などがある方」と、短時間の面談をしています。つまり、対面診療です。
「体調良好」とか「経過順調」で済むような方も多いですが、それでも、話が長いか短いかは別問題です。

多くの情報を語っていただける方(よくしゃべる方)からは、内容を取捨選択しながら、聞き役に徹します。
それでなお情報が不足するなら、少し質問をします。するとまた、さらに多くの情報を語っていただけます。
一方で寡黙な方には、お困りの概略を尋ねつつ、徐々に掘り下げて聞き込んでいくことになります。

診療ではなく一般の会話では、その場で誰が何の事柄について話し始めたか、私はそれを大切にしています。
以前、SNSでの会話について書いたことがありますが、対面での会話ならなおさらのことです。

「コロナどうなるかねぇ」に対して、「それよりマイナ保険証ってどうなん?」と話題を変えるのは論外です。
「昨日、鶴屋で有名人見たよ!」という発言に、「私はけっこうよく見かけるよ」とマウントとるのもNG。

何よりも、話の腰を折らないことが、聞き手として守るべきいちばん大事なルールだと、私は思っています。
興味津々な相づちを打ち、ときに驚嘆し、あるいは落胆して見せ、話し手には存分に話させてあげましょう。
そして話がこなれてきた頃を見計らって、「そういえば私も」と自分の話を切り出すのが奥ゆかしいのです。

以前の私は、自己中な誰かに自分の話の腰を折られても、それをそのまま許容してしまう腰砕けな性格でした。
ですが年と共に図太くなり、最近は腰を折られてもひるまず、頑固に自分の話を続けられるようになりました。
こうして最悪の場合、自己中と頑固者がそれぞれの話を続けて平行線をたどったりします。

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