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追加接種は急がない
- 2023/05/27(Sat) -
HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)の接種間隔のことで、ときどき尋ねられることがあります。
以下は、4価(ガーダシル)または9価(シルガード9)のHPVワクチンの話として書きます。

規定では、1–2回目の間隔は標準2カ月(最短1カ月)、1–3回目は標準6カ月(2–3回目間は最短3カ月)です。
当院では、1–2回目を2カ月間隔、2–3回目は4,5カ月間隔で計画するようお勧めしています。

この、1–2回目は短めで2–3回目が長いのは新型コロナワクチンと似ていますが、同じ理屈によるものです。

1,2回目で初期免疫を付け、その免疫が低下する頃合いを見計らって3回目を接種するのが効果的だからです。
このような場合、最初の2回を「初回接種(2回なのに)」と言い、3回目を「追加接種」と呼びます。
この追加接種をまた「ブースター接種」とも言い、コロナのおかげで一般によく知られる言葉になりました。

同じ理由で、ヒブや4種混合や日本脳炎など他のワクチンでも、似たような接種パターンが規定されています。

新型コロナワクチンでは、3回目接種は当初2回目の8カ月後と規定され、やがて6カ月に短縮されました。
明確な医学的根拠はないものの、有効な「ブースター効果」のためには6カ月必要だと考えたからです。
それがどんどん前倒しされたのは、3回目を待っている間に感染するリスクを考慮したものです。

HPVワクチンも同じで、3回目は2回目からの間隔がある程度長い方が、強いブースター効果が得られます。
コロナとは異なり、HPV感染症がパンデミックというわけではないので、短縮するメリットはありません。
例外的に追加接種を短い間隔で行うことがあるとすれば、何か社会的理由がある場合に限ります。

定期接種は、開始は早めに(対象になったらすぐ)、間隔は長めに(規定範囲の上限で)、をお勧めします。

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