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医師の過重労働に解決策はあるのか
- 2023/08/19(Sat) -
卒業後3年目の若い医師が、長時間労働によって精神障害を来たして自殺し、労災認定されました。
認定されても命は戻りません。このような悲しい出来事は、なくならないのでしょうか。

自殺直前の残業時間は、月に207時間(3カ月平均で月185時間)だったとのこと。
「精神障害の労災認定基準」である月160時間(3カ月平均100時間)を超えていたのが、認定の根拠だとか。
その基準が「過労死ライン」の月100時間(2〜6カ月平均80時間)より厳しい理由が、よくわかりません。

かつて私も某大学病院で働いていたころ(90年代後半)は、残業時間が毎月200時間以上でした。
朝7時半からのミーティングに間に合うように出勤し、帰宅は深夜、しばしば午前様。土日も終日働きました。
週に2,3日はICUに泊まりましたが、横になって寝られるわけではなく、詰所のイスに座ったまま眠りました。
泊まった翌日の勤務は通常通りで、また朝から夜まで働きました。休日は夏と年末年始に2,3日だけでした。

おもに夜中に、学会準備などの「自己研鑽」もしなければなりません。それも医師としての仕事ですから。
地域医療のためと言うより、一人前の医師になるための修行として、長時間勤務に耐えていた面もあります。
ただ、前にも書いたように大学病院での残業には一円も手当が付きません。無報酬だと思うと余計に疲れます。

こういう過酷な勤務は、今どき自慢にもならないどころか、自慢してはならないことなのでしょう。
ですが今も状況はほぼ同じ。すべての医師が労働基準法を遵守したのでは、病院が回らないのが実情です。
医師の自己犠牲によって地域の医療が成り立っています。ただ、その言葉通りに犠牲者が出るのは悲劇です。
改正労働基準法によって医師の労働環境が改善するのか、一方で医療サービスは保てるのか、難しい問題です。

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