ジェネリック医薬品不足
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- 2023/10/24(Tue) -
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ジェネリック医薬品大手「沢井製薬」の胃薬「テプレノンカプセル」に、品質管理上の不正が発覚しました。
薬を包むカプセルの品質が悪くて劣化しやすいため、新しいカプセルに入れ替えて試験を行っていたようです。 新任の担当者が正しく検査をしてしまい、まったく溶けなかったカプセルがあることが発覚。お粗末な話です。 つまり、たとえ薬の主成分に問題が無くても、カプセルが悪くて効果不十分な医薬品だったということです。 「テプレノンカプセル」といえば、「レバミピド錠」と双璧をなす、日頃とてもよく使われる胃薬ですね。 先発品名はそれぞれ「セルベックス」と「ムコスタ」です。パッケージの外観も先発品と後発品は似ています。 ジェネリックを嫌う人にはその品質を疑う方が多く、以前なら、私はその考えをキッパリ否定していました。 それは偏見ですよ。大手メーカーのジェネリックの品質は信頼できますよ。問題ありませんよ、と。 でも実際は、問題大ありじゃないですか。「安かろう悪かろう」じゃないかと言われれば、反論できませんよ。 3年前の「小林化工」の不正事件に始まり、翌年は「日医工」の不正と、ジェネリック業界の問題が続きます。 メーカーの業務停止や自主回収などによって、医薬品の供給はいま極めて不安定で、品薄が続いています。 そのとどめが、今回の沢井製薬です。これで医薬品の品薄はますますひどくなるかもしれません。 いずれもしっかりしたメーカーだったのに、手抜きや不正をせざるを得なくなった要因があるのでしょう。 ジェネリックメーカーは数多くの医薬品を製造しており、その多くがひどく安価な不採算品目だそうです。 他のメーカーが業務停止や出荷停止をしても、それを補うために不採算の薬は増産しにくいわけです。 さらに2年に1度の薬価改定で約10%ほど薬価が下がるため、メーカーの儲けはどんどん減るといいます。 メーカーを追い詰めたのは、薬価制度や製薬行政に根本的な原因があるのかもしれません。
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