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カルテとラテン語
- 2013/02/20(Wed) -
迫ってきた「コンクラーベ」ですが、その語源について、やはり触れておかなければならないでしょう。

ローマ法王の選出においては議場に「外鍵」がかけられて、枢機卿たちは外界と遮断され閉じ込められます。
「新教皇を決定するまでは、外に出てくるな」というわけです。その意味では「根比べ」です。

コンクラーベ(conclave)という言葉は、ラテン語の “cum + clavi” から派生したもです。
英語風に書けば “with a key” で、「鍵がかかった」という意味になります。

このラテン語の ”cum” という前置詞を見ると、医師になって1年目の研修医時代を思い出します。
当時、九大第一外科では、カルテの表紙に記載する病名は、ラテン語で表記するのがキマリでした。

たとえば「胆石症」の場合。
日本語表記などは論外。英語で”Gallstone”と書いても、専門用語で”Cholelithiasis”と書いてもダメ。
“Cholecystitis chronica cum concrement” と書かなければ、教授回診のとき叱責を受けました。
英訳すると “Chronic cholecystitis with stones” でしょうか。「石を伴った慢性胆嚢炎」という意味です。
結石の無い「無石胆嚢炎」の場合には、”cum” のかわりに “sine” を使います。“without” の意味です。

“cum”にはなじみが無くても、”c”の上に横棒を引いて”with”の意味で使う記号は、医者がよく使います。
今日はどうも、あまり一般ウケしない話題でした。

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