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ワクチンとADEM
- 2013/06/05(Wed) -
HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)接種後にADEMが3件起きたと、厚労省が先週公表しました。

「ADEM(急性散在性脳脊髄炎)」は、アレルギー性の急性脳脊髄炎です。
ワクチン接種後に発症することもありますが、ADEMの多くは、ウイルス感染の後などに起きます。
毎年、人口100万人あたり3人前後が発症しているとされてます。

平成17年、日本脳炎ワクチンの接種後に、重症ADEMが発生しました。
当時の日本脳炎ワクチン(旧ワクチン)は、マウスの脳を使って製造されていました。
ワクチンにはマウス脳由来の物質の混入が不可避のため、ADEMとの因果関係が疑われました。
同年5月30日、厚労省は「積極的勧奨の差し控え」を通知。「接種はお勧めしませんよ」という意味です。
旧ワクチン接種後のADEMを集計すると、その発生率は100~200万回の接種に1回程度と計算されました。

平成21年6月に、乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン(新ワクチン)が導入され、われわれも一安心しました。
原理上、脳組織の混入は無く、ADEMが発生しない(きわめて発生しにくい)と考えられたからです。
ところがフタを開けてみると、昨年9月までの3年余りの間に、接種後のADEMが11例報告されています。
これはなんと、131万回の接種に1回の割合です。新ワクチンになっても、ADEMは減っていないのです。

しかし考えてみれば、ワクチンを接種しなくても、毎年100万人に3人のADEMが発生しているのです。
ワクチン接種後に起きたADEMが、はたしてワクチンによるものかどうか、根拠には乏しいかもしれません。

さて今回のHPVワクチンですが、ADEM発生は276万回の接種に1回の割合でした。
諸外国と同程度の、十分に低い数値です。これもワクチンが原因かどうかさえ、ほとんど確証はありません。
それをわざわざ公表した厚労省って、いまだにADEM恐怖症に陥っているのかと思えてしまいます。

かつての日本脳炎ワクチンの時と同じ轍を踏まないように、祈るばかりです。

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