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水痘ワクチン定期接種へ
- 2013/12/22(Sun) -
「水ぼうそう定期接種に」 今朝の読売新聞が、一面トップで報じました。
寝耳に水でしたが、どうやら水痘と成人用肺炎球菌ワクチンの定期接種化が決まったのは、本当のようです。
ただしその記事を、読売がこれほど大々的に扱った理由は不明です。ま、いいですけど。

現在、定期接種化が検討されているワクチンは、水痘、おたふく、成人用肺炎球菌、B型肝炎ワクチンの4つ。
実現が先行き不透明だったところ、ここに来て唐突に、2ワクチンの先行定期接種化が決まったのです。

水痘は、死亡率の低い感染症です。しかし日本では毎年100万人が罹患するので、20名ほどの死者が出ます。
一方、すでに水痘ワクチンの定期接種を導入している「先進国」では、罹患者も死亡数も激減しています。
水痘ワクチンは副作用も少なく、導入を躊躇する理由などありません。

皮肉なことに、現在世界中で使われている水痘ワクチンは、日本で1970年代に開発された「岡株」です。
「岡」という姓の患児から分離されたウイルスを元に、阪大微研の高橋理明博士がワクチン化しました。
いまならそのような名称は使いにくいですが、当時は個人情報保護をうるさく言う時代ではなかったのです。

岡株は80年代から海外で幅広く使われるようになり、90年代以降には欧米諸国で定期接種化が進みました。
一方日本は、自国が開発したワクチンを、自国民への定期接種として導入するのに、40年かかったわけです。
高橋博士は、定期接種化の決定を聞かれたでしょうか。それと引き替えるかのように先週亡くなられました。

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