周産期の水痘
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- 2014/02/17(Mon) -
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まあしかし、水痘って多いですね。なにしろ年間100万人ですから、当院にもそれなりに来院されます。
水痘は、たいてい小児期に罹患する病気です。大人になって罹ると、重症化しやすいことが知られています。 自然感染による免疫獲得を待つなどナンセンス。水痘はワクチンで予防すべき疾患です。 水痘ワクチン接種の啓蒙がてら、その意義をこれまでに2つの側面から書いてきました。 (1)重い合併症や死亡の回避 (2)バイオテロ対策 しかしもうひとつ、付け加えるべきものがありました。 (3)新生児水痘の予防 免疫を持たないまま妊娠してしまうと危険なのは、風疹だけではありません。 ただし水痘で問題になるのは、妊娠初期の感染よりも、周産期(分娩前後)の感染による新生児水痘です。 分娩の5日前から分娩の2日後までに母体が水痘を発症した場合、新生児の死亡率は30%ともいわれます。 それより早い発症であれば、母体の免疫(抗体)が胎児にも移行しているので、助かります。 それより遅い発症であれば、母体からのウイルスが胎児に感染しにくいので、助かります。 このような悲劇を避けるために、水痘の免疫のない女性は、妊娠前までに免疫を付けなければなりません。 妊娠中にワクチンが接種できないのは、風疹と同じです。 風疹よりもタチの悪いことには、水痘は日本中どこにでも、ほぼ一年中蔓延しています。 だからこそ、予防接種の徹底が急務なのです。ありきたりの疾患ですが、怖い病気です。
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