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アドレナリン注射
- 2014/02/21(Fri) -
インフルエンザは現在流行中ですが、インフルエンザの予防接種は、そろそろ終了します。
「まだやってたの?」とか「いまごろ接種して意味あるの?」とか言わないでください。
まだ罹っていなければ、予防の意味はあります。しかもワクチンは、3つの型のインフルエンザに有効です。

予防接種の副反応でいちばん怖いのは、接種直後に起きる重篤なアレルギー反応「アナフィラキシー」です。
接種後30分以内の発症が多いので、原則としてその30分間は院内にとどまっていただき、経過を見ます。

万一、アナフィラキシーが起きたら、迅速に対処しなければ生命の危険につながります。
このとき最初にすべき、しかもただちに行わなければならない治療が「アドレナリンの筋肉注射」です。

「アドレナリン」というのは、興奮したり、緊張したり、気合いが入っているときに出るホルモンです。
本来、動物が敵と戦ったり、敵から逃げるときに分泌されるもので、瞬間的なパワーをもたらします。

医薬品としてのアドレナリンは、商品名の「ボスミン」があまりに有名です。
アナフィラキシー治療の際に、医療現場で最初に飛び交う言葉は「ボスミン筋注!」ということになります。

無床診療所でアナフィラキシーが起きる確率は低いですが、いつでもボスミン筋注ができる準備は必要です。
当院では以前、ボスミン注射液と注射器とアルコール綿をセットにして、目立つように置いていました。
しかしいざ使うとなると、アンプルを切って、注射器で吸って、という作業が必要です。時間のムダです。

そこで当院では、毎朝始業前に、2本の注射器にボスミンを0.5mlと0.3ml吸引しておくことにしています。
これらをそれぞれ専用のトレイに起き、アルコール綿も添えて、ラベルを貼って目立つところに置きます。
この方法の長所は第一に、そのまますぐに使えることです。
さらに毎朝スタッフが作成しているので、皆の記憶にも残り、いざ使おうという時に探すことがありません。

そうは言っても、ボスミン筋注が必要になるようなことは、起きてほしくはありません。
開業して6年余り、予防接種後などの迷走神経反射は何人かありましたが、アナフィラキシーは皆無でした。
毎朝準備したボスミン入り注射器は、使用することなく廃棄する毎日でしたがが、それは幸いなことです。

ところが昨日、ボスミン入り注射器の出番が突然訪れました。
食物アレルギーによるアナフィラキシーの患者さんが、突然来院されたのです。
ただちに、ボスミン筋注。ロスタイムなく短時間で対処できました。まさに、備えあれば憂い無しです。

さて、ここからは余談。
アナフィラキシー治療の切り札ボスミンの購入価格は、1mlのアンプルが92円。昔からある、安い薬です。
昨日の患者さんに筋注したボスミンは、0.12ml。わずか11円分に相当する量です。
薬の効果や重要性と、値段が必ずしも比例しないことを示す、良い例ですね。

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