インフル治療薬
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- 2014/03/21(Fri) -
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お子さんにタミフルを処方すると、その副作用としての「異常行動」を心配される方は、まだ多いです。
もうインフルエンザはだいぶ下火ですが、今日は治療薬について、おさらいしてみます。 (1)イナビル(吸入薬) 1度の吸入で済むので便利です。ただし喘息発作が出ている人では使いません。 成人では私の第一選択薬です。子どもでも、上手に吸入できそうなら(おおむね6歳以上)処方します。 (2)タミフル(内服薬) 1日2回、5日間内服するのが面倒ですが、吸入ができない5歳以下ではほぼ唯一の薬です。 いまだに10〜19歳への投与が、原則禁止されています。ひところ「異常行動」が問題となったからです。 (3)ラピアクタ(点滴薬) 胃腸症状や消耗が強く、点滴が必要な場合に、補液薬とともに点滴する場合があります。 点滴なので即効性がありますが、私の印象では、この薬単独では、あと一歩な感じです。 (4)リレンザ(吸入薬) イナビル登場前までは、よく使っていましたが、1日2回、5日間、というのがネック。吸入法も面倒です。 (5)麻黄湯(内服薬) インフルエンザの疑いがあるけど確定していない人などに、よく使う漢方薬です。 空腹時に、熱湯に溶かして飲むのが効果的です。この用法は「湯」の文字が付いた漢方薬の、共通事項です。 タミフルに限らず、リレンザでもイナビルでも、その使用後の異常行動が報告されています。 詳細な調査では、それらの薬を使わなくても、インフルエンザで異常行動が起きることが、わかっています。 私の経験でも、インフルエンザ発症直後に、薬を使う前から幻覚が見えたお子さんが、何人もいました。 つまり幻覚や異常行動は、インフルエンザの症状のひとつであって、薬の副作用ではないのです。 もちろん、副作用ではない、ということを科学的に証明することは、とても難しいことです。 結局、かつていちばん使われたタミフルが、その濡れ衣を着せられ、いまだに着せられっぱなしなのです。
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