平均余命
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- 2014/04/29(Tue) -
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「10年前に前立腺ガンと診断されたとき、平均余命はあと10年と言われたのだが」と、相談を受けました。
予告された余命に達し、ひどく不安な状況であることは、よく理解できます。 このような場合、「平均余命」の意味を理解することによって、不安を解消することができるかもしれません。 たとえば、次のような説明はどうでしょうか。 「平均余命10年」という場合、10年以上生存できる確率が50%、10年未満の生存確率が50%です。 前者をAグループ、後者をBグループとすれば、宣告から10年を経過した時点で、Aグループ入り確定です。 ちょうど10年経ったひとには、「無事、Aグループ入りされましたね」と言うことができます。 あるいはまた、平均寿命にたとえて考えてみることで、不安を解消することができるかもしれません。 「平均寿命」とは、0歳の平均余命のことです。日本人男性の場合、それは約80歳です。 では、80歳を迎えた瞬間に、ひどく不安を感じる必要があるかといえば、そうではありません。 80歳の男性には、その時点における平均余命があり、厚労省の統計では約9年です。 つまり、80歳の人にとっての平均寿命は、89歳ということもできます。 89歳の男性の平均余命の資料がないのが残念ですが、90歳の場合の数値から推定すると、平均余命は約4年。 つまり、89歳の人にとっての平均寿命は、93歳と考えてもいいでしょう。 おそらく、93歳の人の平均余命は2年ぐらいでしょう。95歳の人は1年かもしれません。 そのように考えたら、アキレスと亀のごとく、寿命は無限に延びていくような気もしてきます。 だから前立腺ガンの余命10年をクリアできた方には、前途が広がったと考えても、間違いは無いでしょう。
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