混合診療の禁止
|
- 2014/05/26(Mon) -
|
「混合診療」とは、保険が適用される「保険診療」と、保険適用外の「自由診療」を併用することです。
保険が利く従来の医療を3割負担で受け、それ以外の医療を自分の希望によって選択し、組み合わせる。 素直に考えれば、そんなの併用できた方がいいにきまってるでしょう、ってことになります。 私もそう思います。混合診療の禁止など、まったく理不尽で融通の利かないな規則なのです。 例えば以前にも書いた「ノロウイルス検査」。 嘔吐や下痢などの胃腸炎症状に苦しむ患者さんが、ノロを検査して欲しいと来院されることは多いです。 その検査結果で治療法が変わることはありませんが、周囲への感染拡大を考慮すれば、知りたい情報です。 しかし、この検査への保険適用は、3歳未満か、65歳以上か、癌の患者さんなどに限られています。 もしも検査するなら、自由診療つまり自費診療となります。当院での価格設定は3,000円です。 「じゃあ3,000円払いますから、検査をお願いします」となるかと言えば、そういうわけにはいきません。 ノロの検査という自由診療を受けるのであれば、その他の診療もすべて、自由診療扱いとなるからです。 たとえば初診料や処方せん料や薬代など、通常は3割負担で受けられるものが、全額自己負担となります。 これが、混合診療を禁止している現行制度の、おかしなところです。 それがイヤなら診察や会計を先に済ませ、院外に出て、再び来院してノロの検査だけ受ける必要があります。 いいえもっと厳格には、保険診療と自由診療は、別の日に受けなければならないという解釈すらあります。 こんなおかしな制度なのに、たとえば医師会などは、混合診療の全面解禁に反対しています。 混合診療自体が悪いのではありません。その解禁後に、なし崩し的に起こりうることを心配しているのです。 さて、本題はむしろここから。怒濤の後編を待て。(つづく?)
|
コメント |
コメントの投稿 |
| メイン |
|